治験例
難聴

■プロフィール
男性 20代 神奈川県在住
■初診
2013年 11月
■来院されるまでの症状
アトピー性皮膚炎で来院されましたが、8回の来院で快癒となりました。
その後、聴力低下に悩んで来院され、診療を継続中です。
■他の症状
首と肩の凝り、腰の張り感
■既往歴
アトピー性皮膚炎、腰痛(椎間板ヘルニア)
四診と経過
■診療(指針と施術)
片耳の聴力が低く、大学生の頃に両耳に及び、現在、混合性聴覚障害者として補聴器を使用してらっしゃいます。「疲れがたまると聴力が低下することがあったが、ここまで聞こえないのは久し振り」ということでした。運転免許の試験前でストレスと睡眠不足に原因があると思われました。右の耳周りから首の前側、付け根にかけてに硬結が強く出ていたので、その滞りを流すように施術しました。耳周りには感じる程度の施灸。耳周りと首の最も硬いところに円皮鍼というテープの鍼を施しました。
■初診後の経過
2週間後の来院時には補聴器がつけられるまでに聴力は回復して
いました。耳鳴りは常時ではなく、気にならない時もあるという
ことでした。耳周りに硬結が残っており、耳鳴りがあったので、
深部の硬結をほぐすように施術しました。その後も、疲れの具合
など日によって聴こえづらさや耳鳴りはあるので、補聴器がつけ
られない状態にならないように、診療を継続しています。
主要なツボ
①翳風(えいふう)
②完骨(かんこつ)
③耳門(じもん)
④頚根(けいこん)
⑤缺盆(けつぼん)
※④頚根はWHOで定義されたツボではありませんが秀鳳では治療穴としてよく使用されます。
ひとこと添えさせていただきます
難聴はこれといった原因があるわけではなく、自律神経の関与もあり、ストレスや睡眠不足、疲れが引き金となることが多いようです。難聴には、伝音性難聴(外耳・中耳の機能障害による)、感音性難聴(内耳・聴神経の機能障害による)、混合性難聴(伝音性・感音性双方の機能障害)の3種があります。伝音性障害は音が伝わりにくくなっただけなので、補聴器などで調整ができ、 症状の改善は期待できます。感音性難聴や混合性難聴は音が歪んだり響いたりして、補聴器の音質や音量を細かく調整する必要がありますし、症状の改善には計画的な治療による身体全体の調整が必要といえます。規則正しい生活が最良の予防です。疲れを溜めず、予防第一を心がけることをお勧めします。

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