症例/頸肩腕症(1)

患者様情報

来院されるまでの症状

・もともと首肩こりが気になっていたようですが、ここ数年、朝目覚めた時から首肩こりが気になるようなったということです。 
・さらに、1週間前に転倒した時に右半身を強打したのがきっかけとなたようで、右手までの痛みと痺れを感じるようになっています。
・夜間に痛みが出て眠れないこともしばしばあり、来院なさいました。

患者様 40代 神奈川
初診 2003年10月
既往症 パニック障害
他の症状 冷え症、下肢のむくみ

四診と経過

診療(診断と施術)

・首、肩、背部まで筋肉の強張りがみられ、頚椎部に異常な隆起を確認しました。
・10代の時に整形外科医から頚椎の狭窄症との診断を受けたそうです。
・足の冷えがひどく、下肢もむくみが顕著でした。
・そこでまず、上肢の強張りを緩め、気を全身に巡らせるという方針をたて、施術に臨みました。
・右の肩甲骨から首周りにかけての強張りを緩めていくと、右手先に何かが流れていくような感じがしてきたとの感想をいただきました。

初診後の経過

・受診後の翌朝、起きてみると、10年来の首肩こりが感じられなかったとのことでした。
・右の頚肩腕症については、3回の施術で痛みと痺れは治まりました。
・その後は、体質改善を目的として、隔週または月1回のペースで来院されています。
・また、15年程前に発症したパニック障害もあるとのことで、毎年春には薬が増えていたのですが、今春は、薬を飲まずに過ごせたと喜んでいらっしゃいました。
・下肢の冷えや浮腫みも以前に比べて大幅に解消し、体質も徐々に改善されてきている様子が窺えます。

使用した主要なツボ

①欠盆(けつぼん) ②膏肓(こうこう) ③肩井(けんせい)

ひとこと添えさせていただきます

・痛めた肩部に、夏場のクーラーによる冷えが加わり、夜間痛にまでに発展してしまった症例と思われます。
・夜間痛もなくなり、可動域も広がってはいますが、まだ完全には治りきってはいません。
・季節の変わり目や冷えは要注意です。
・一度痛めた肩は治癒してもぶり返すことがよくありますので、改善部のメンテナンスのために定期的に受診なさることが予防につながります。